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派遣のススメ

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会社員から派遣社員へ

私は、2018年の7月を持って、会社を辞めて正社員という立場を捨てました。

新卒から4社の会社を渡ってきましたが、何れも仕事内容や給与に納得がいかなかったのが、理由で辞めました。特に4社目は業界10年を試用期間が終わった後も新卒と同じ給料で使うトンでも企業だったので、1年を経たずに辞めました。

そして、今は派遣会社に登録して、一般派遣として今までと同じように客先で働いています。

一般的には派遣というのは、「安定しない」とか「低収入」などの偏見を持つ方も多いですが、実際どのようなメリット・デメリットがあるのかを実体験に基づいて紹介していきます。

メリット① 月収が上がった

「いやいや、そんな訳無いでしょ」

と思う方が多いかと思われますが、事実です。
少なくとも10年間会社員をやっていて、残業をバリバリ行って貰える月収より、遥かに高かったです。

一般派遣は基本的には時給で支払われることが多く、その単価はピンきりです。

ただし、私のように10年間も色んな現場に行っていれば、それなりに出来ることが増え、高い時給の案件に携わることが可能です。

私は、幅広く色んなことを客先でやっていたものの、結局は会社の営業が持ってきた案件をこなすこと以外出来ないため、本来、私が得意とする技術、やりたいことがあまり出来ておらず、キャリアプランも定まらない状態でした。

もちろん自己学習は行っていましたが、どうやったって、実務に勝る経験は勉強だけでは身に付かないことが多いです。

そんな、私でも 時給2,800円 ~ 4,000円の案件を自由に選ぶことが出来ました。

仮に時給3,000円で1日8時間労働だとして、月に20日働いた場合、毎日定時にあがっても、

8時間 × 20日 × 3,000円 = 480,000円

になるので、会社員でもないのに、これほどの給料を貰えたら、十分ではないでしょうか。実際は社会保険料を差し引いた額となりますが、それでも会社員で残業無しで、今時これだけの金額を出してくれる会社はあまり無いかと思います。

フリーランスと違って、2ヶ月以上の契約の場合は社会保険に加入できますので、安心です。(そもそも2ヶ月未満の案件の方がなかなか無いです)

メリット② やりたいことができる

給料が上がることは、もちろんメリットですが、一般派遣の一番の強みはコレだと私は思います。

技術は日進月歩、とても早いスピードで進化していきます。
そして、世の中にいくつものサービスがあり、ものすごいスピードで日々新しいサービスが提供されていきます。
ソーシャルゲーム何かは特にスピード感が重要で、いかにユーザーを長い期間、惹き付けられるかが肝になってきます。

私は、業務アプリ開発は医療、金融、保険、クレジットカード、インターネットサービスプロパイダ、携帯会社、飲料メーカー、厚生労働省等、様々なジャンルを経験したことがありました。

しかし、本来、私が開発をしたかったものは、業務アプリやサービスではなく、コンシュマー向け、つまり特定のユーザーの利用を目的としたアプリではなく、誰でも使えるサービスの開発を行いたいと思っていました。

具体的には、Amazonや楽天市場のようなオンラインショッピングサイトやホットペッパーやぐるなびのような飲食店予約システムなどの開発に関われたら、楽しそうだと思っていました。

ところが、そのような有名なサービスにあっさり入ることが出来ました。
行きたい案件が4社あり、4社ともマッチし、そのうちの1社の案件に参画しました。普段から使っているサービスの開発に自分が関われることは、とても、モチベーションが上がります。

これだけでも、十分に一般派遣に切り替えて良かったと今でも思います。

メリット③ 自分のライフスタイルに合った仕事を選べる

自社開発だと色々融通が利く会社はあるかと思いますが、客先常駐の業務委託だとなかなかそうにはいきません。ましてや、案件を自分で選べないため、始業時間も仕事内容も服装も勤務場所も自分では選べません。

私は、結婚と3回目の転職を機に、都心を離れ横浜の外れに住居を構えることになったのですが、現住所から会社が決めた常駐先に行くまで、実に2時間弱掛かりました。始業時間は8時過ぎであるため、少なくとも6時過ぎには自宅を出ていました。

今は10時出社と遅めの出社が可能な派遣先なため、8時過ぎに自宅を出ても間に合うようになりました。

また、服装も私服の現場を選らんだため、毎日快適です。
そもそもエンジニアがスーツを着なければならないのか、理由を知りたいです。

メリットまとめ

上記のように、一般派遣で働く場合、余程のことが無い限り、生活に苦しむということは無く、むしろ月収が増える分、生活が安定します。
また、正社員だと未だに副業を禁止している企業が数多く存在し、私が今までに所属していた何れの企業も副業禁止でした。生活出来ない程の給与にも関わらず、副業も禁止となれば転職する他ありません。

今時、大企業に勤めていても、将来安泰などという保障はありません。

既に終身雇用という文化が崩壊しているにも関わらず、簡単に社員を解雇することが出来ず、基本給は一度上げるとなかなか下げることも出来ないため、これから新卒で企業に入社する人達は間違いなく、基本給が低いです。

更に、客先常駐型の企業では、自分で仕事を選べないので、どうしてもスキルがバラツキがちになります。

それらを考えると、必要なスキル、給与を自分で選択出来、仕事の量も調整出来る派遣社員の方が遥かに安定していると言えます。

それに、気に入らないことがあれば、契約期間を満了したら次の現場を探せばいいのですから。

デメリット① 交通費は自己負担

交通費が支給されないことが何気に痛いです。
派遣先によっては、交通費を支給してくれる場所もありますが、多くの派遣先は交通費は自己負担です。また、時給を高く見せたいがためにそうしているところあります。

ただし、派遣先で新たに交通費が発生した場合などは派遣元や派遣先と相談してみた方が良いです。

デメリット② 孤独

とにかく孤独です。私のように、新卒からほぼ一人客先常駐であった場合でも、自社の後輩、部下や上長がいましたので、自社に戻れば和気藹々とする機会が多々ありました。

しかし、派遣社員は派遣会社に所属しているとは言え、帰社などはなく、案件が切れてしまったら派遣会社との繋がりも無くなります。
何か困った時に助けてくれる同僚も後輩も先輩も存在しません。基本的には自分の力で何とかしなければなりません。と、言っても仕事は一人でするものではないので、派遣先の人達と相談すれば良いです。

私が言っている孤独というのは、
『所属していない』
ということに関する孤独を指します。

いくら、派遣先で仲良くなった人がいたとしても、その人達はあくまで派遣先の社員です。派遣先は派遣社員の生活を守る義務などありません。仕事で困ったことがあれば相談に乗ってくれるかもしれませんが、それ以外に関しては相談に乗らなければならない理由はありません。

もちろん、派遣社員とは言えど、労働者としての権利はありますので、それらを行使することは可能です。

しかし、立場の違いゆえ、人によっては格差を感じるかもしれません。
それを、楽と捉える、苦と捉えるかは、自分次第です。

デメリット③ 事前面接

派遣法では、紹介予定派遣(後に正社員雇用する派遣)以外では、労働者を事前に特定する、事前面接は禁止されています。

Wikipedia - 事前面接

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8B%E5%89%8D%E9%9D%A2%E6%8E%A5

しかし、客先常駐型の企業では、ほぼ100%事前面接が行われており、面接結果の合否を突き付けられます。面接して、企業に入社したのに、何回も面接を行わなければならないのは、想像以上に負担を強いられます。

最近は面接と言う言葉を堂々と使わず、
『顔合わせ』
『職場見学』
などと言いますが、言葉遊びなだけで、実態は事前面接です。

一般派遣の場合はどうかというと、残念ながら一般派遣でも、ほぼ100%事前面接があります。

そのことに関して、現在、利用している派遣会社の営業の方に

「何で、事前面接があるのですか? 違法じゃないですか?」

と口頭で質問したことがありますが、顔を強張らせて

「事前面接ではありません。法律で事前面接は禁止されているので、職場体験という形になります」

と返されて、怒りを通り越して、呆れて反論する気すら無くしました。
気になった案件が4件ありましたが、何れも事前面接がありました。

面接が苦手という方は注意した方がいいかもしれません。

デメリットまとめ

何だかんだ、デメリットよりメリットの方が上回るのは事実ですが、交通費に関しては月収が上がるのであれば、些細な問題ですが、孤独が苦手、面接が苦手という方に関しては、致命的となるため、一般派遣はおススメできません。

一般派遣を勧められるかどうか

一般派遣は自由な働き方が出来て、とても魅力のある働き方です。

しかし、本来であれば、ちゃんと守ってくれる会社や上司がいる企業に勤められるのが一番良いです。

もし、現状、きちんと自分のことを守ってくれる上司や、今の仕事がとても楽しいという方は、無理して一般派遣に切り替えることをおススメしません。

どんな理由を取り繕ったところで、世の中は未だに会社員になることは普通であり、安定していると信じている人の方が圧倒的に多いです。人の目、世間の目をいちいち気にするような人は絶対に向いていないです。

ここまで話したのだから、もちろんおススメの派遣会社を教えてくれるんでしょ? と思っている人もいるかと思いますが、私が利用している派遣会社のことや、おススメの派遣先などは一切お答えできません。

理由は、誰でも出来る単純労働であれば、まだしも、システムエンジニア、プログラマーの方は

分からないことを徹底的に調べ、ナレッジを積み上げ、成果を出す

のが仕事のはずだから。

たとえ、転職に失敗しても誰のせいには出来ません。変化を求めるというのは、常に自己責任です。誰かに責任を取って欲しい、保証して欲しいと考えている人は、一般派遣に限らず、普通の転職すらも難しいです。

まずは、自分の力で調べて、納得のいくまで自分の力で答えを探し続けて下さい。

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