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リーダーこそ自分自身を一番大事にするべき理由

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  1. チームのまとめ役リーダー

リーダーという言葉を聞くと、責任や管理という言葉を連想するかと思います。

私自身は職場にて、リーダーの経験をした期間はトータル1年と、とても短い期間しか経験がありません。
しかし、当然のごとく様々のリーダーの下で働いたことは多々あります。
リーダーの仕事は様々ですが、主に下記の業務が当てはまるかと思います。

・WBSの管理
・メンバーの進捗管理
・メンバーへのヒアリング
・必要な会議への出席
・他チームとの連携

今回はリーダーとしてどのような責任が伴い、どのように対処したのかを、実際に私がチームリーダー経験をした2ケース元に紹介していきたいと思います。

ケース1 最初からリーダーとして参画

私が初めてリーダーとして参画した案件は、C#を使ったバッチとAPIと画面・バッチの共通モジュールを作成するチームでした。

チームメンバーは8年目の私と5年目の後輩1名と業界未経験新人3名の後輩をまとめるリーダーとして参画しました。

リーダーといっても、自社の社員をまとめる立場であり、自分達の上には65歳の年配の女性が開発リーダーにいました。

他には他社からきたベテラン2名がいました。

正直なところ、それまでの過去8年間はずっと一人客先常駐であり、リーダーとしての教育も受けておらず、全て独学であったため、大きな不安がありました。

いざ、案件が始まってみると、既にWBSにとても無理があったため開発リーダーに相談しました。
すると、一日当たり3~4時間残業する前提でスケジュールが引かれているとのことでした。

また、開発リーダーがC#を分からないのでmstest(Javaでいう、JUnitのようなモノ)も使わせて貰えず、昔ながらの決められたテスト方法しか許されず、テスト工数が更に膨大となってしまいました。

これだけでゾッとしましたが、この話には裏がありました。

元々、自分達の前に入っていた会社に逃げられたという経緯があり、スケジュールの調整も要員の調整も不可能とのことでした。

私の場合はリーダー業務の他に一番重い設計やら製造やらのタスクも持っておりました。

最初はベテランの方にやって貰うハズでしたが、まさかの三日目でベテランの2名の内、1名が来なくなりなりました。もう1名もベテランのはずですが、何故かC#どころか、プログラミングを全然やったことが無いという謎のベテランでした。(後にもう一人も消えました)

初めから無理なスケジュールなうえ、ど新人には到底不可能な案件であり、一ヶ月もすると、新人3名のうち1名が過酷なスケジュールに耐えきれなくて会社を辞めていきました。

健康のため、毎日、ほぼ定時で上がらせていましたが、プレッシャーに耐え切れなかったのでしょうね…。

やがて、もう一人もプログラミングのように考える仕事が辛いとのことで、仕事を休むようになりました。(むしろ、休ませました)
更に、唯一経験者である後輩も別のチームが人手不足とのことで強制連行されました。もちろん自社経由で抵抗しましたが、商流が深すぎることと、一人が辞めてしまったことを理由に脅され、叶わず。(冗談抜きで脅されました)

新人3名のうちの最後の一人は趣味でもプログラミングを行っていたこともあり、まさかの即戦力でしたが、元々5人月の仕事を2人で行うのは到底無理なため、私と自社の上長達が出した決断は

 

 

 

 

「解散」

 

 

 

 

もう、誰もが疲弊していて、到底無理な状態でした。
私自身も毎日開発リーダーからの罵倒や汚い言葉を受けていて、限界を感じ、このままでは共倒れしてしまうと思い、そのような決断をしました。

そもそも、工数が足りないことを指摘しても、人もスケジュールも一切調整出来ないのであれば、私がリーダーとして入っている意味もあまりありませんでした。(もちろん後輩達の体調面については、上長事細かく報告はしておりましたが…)

こうして、初めてのリーダー業務は不完全燃焼のまま終わってしまいました。

(でも、何故かその年のボーナスは全社員で一番高額でした…撤退したのに)

ケース2 リプレイス案件のバッチチーム

最初から私がリーダーとして現場に赴くケースであれば、色んな決断を出せる可能性がありますが、途中からリーダー交代するケースが一番厄介です。

続いて、そんな途中からリーダーとなったケースを紹介します。

案件の内容としては、とある業務アプリケーションのリプレイスでした。開発会社ではなく、エンドユーザーの会社にて開発でした。そして、私がいたチームはバッチチームでした。

当時、私は業界9年目で5年勤めた会社を辞め、以前から付き合いのあった会社に転職しました。
転職したばかりなこともあり、みんなどのようなスキルを持っているのか分からない状態でした。

若手に関しても、事前に営業の方から、
「結構デキル奴だよ」
と、紹介されたものの、正直そんなに期待はしておりませんでした。(コレ系で何度も裏切られたことがありましたしね)

それより、フリーランスの方のスキルがどのようなものか結構楽しみでした。

自社の係長がチームリーダーを務め、私がサブリーダー、若手3人と自社経由でやってきた、50代のフリーランスで構成されたチームでした。

参画した案件では、バッチではJava、画面ではPlayFramework、scala、Oracleといった技術を扱う現場でしたが、チームリーダーがJavaやフレームワーク、WEB開発のノウハウが分からない方でした。

それについては、技術的なことは私とフリーランスの方でサポートすれば良いので、その時は特別問題ないと判断していました。

問題なのは、技術的なことではなく、スケジュールや仕事の仕方でした。

まず、要件定義などの上流工程が一ヶ月遅れていたという点と設計メンバーがエンジニアでは無いという点がとても心配でした。

自分達は準委任契約で現場に参画していたため、本来であれば過度なスケジュールの遅れを取り戻す必要はありませんでした。

ある程度、この範囲なら出来ますという実現可能なスケジュールをこちらから提示するべきでしたが、リーダーからとんでもない発言が出てきました。

 

「スケジュールが押しているから、残業、休日出勤で何とか頑張って欲しい」

 

素人に毛が生えたような新人とプログラミングが出来ないリーダー、未知数なフリーランス。

ただでさえ大幅にスケジュールが遅れているのに、マンパワーで乗り切るなど、到底不可能でした。

そもそも、お客さんと調整すべきことをリーダーに相談しましたが、お客さんが困っているならやるべきと訳の分からないことを主張するような人でした。

そもそも、リーダーは準委任契約と請負の違いも分からず、ほぼ、お客さんの言いなり状態でした。

また、途中からお客さんの話が分からないので、各自直接指示を受けて欲しいと依頼されましたが、完全に偽装請負でした。
これは不味いと思い、会ったことも無い上長に相談しましたが、上長も何が問題があるのか分からないような人でした。
やがて、リーダーはお客さんに色々要求されるようになり、私もバッチだけではなく画面も担当させられるようになりました。

リーダーはやがてノイローゼになり、毎日のように休むようになり、やがて会社から消えてゆきました。
そして、後に平社員の私がリーダーに任命されてしまいました。
前職では、社内ではリーダー(主任や係長相当)であったため、現場でもリーダーを務めましたが、今度は訳が違います。

ただの平社員です。

また、期待していたフリーランスの方もJavaは初めて(!?)でレビューするとほぼやり直しとなって、私が作り直すことが多々でした。(正直なところ、そんな経験ばかりなので、フリーランスの人に良い印象を持っていませんでした)
やがて、フリーランスの方も休みがちとなりました。

自社に代わりのメンバーや営業経由でスケジュールの調整もお願いしましたが、お客さんが困っているという理由で叶わず。
ましてや、チームが回らないので撤退という選択肢も許されませんでした。(給料や違法性など色々問題はありましたが、ここではあえて語らず)

そこで私が出した決断は一つだけでした。

 

 

 

「会社を辞めよう」

 

 

もう、選択肢が他にありませんでした。
もちろん止められたり、定番の台詞などは言われましたが、私が倒れてしまっては、全員共倒れしてしまうことと、何より平社員という立場でそこまで頑張る必要は無いと考えたからです。

リーダーもまたメンバーの一人

当たり前ですが、リーダーという立場でも一人の会社員であり、またメンバーの一人です。

リーダーだからと言って、会社に守られないという道理はありません。

また、係長が倒れてしまったように、一番上の立場にいる人間が倒れてしまうと、下にいる人達にしわ寄せが一気に押し寄せます。

責任に対する対価を払うことは当たり前ですが、誰かの我慢の上に成り立つ組織は大なり小なり関係無く、いずれ綻びが生じます。

 

社長が我慢しているのだから部長も我慢しろ!

部長が我慢しているのだから課長も我慢しろ!

課長も我慢しているのだから係長も我慢しろ!

係長も我慢しているのだから主任も我慢しろ!

主任も我慢しているのだから平社員も我慢しろ!

 

こうなってしまっては、どこか一つでも欠けてしまっただけで、一気に組織は崩壊します。

 

つまり、私が言いたいのは、

リーダーこそ、メンバーのために自分自身を大事にするべき

ということです。

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